給与支払事務所等の開設届とは

個人事業主や法人が、国内において給与等の支払事務を取り扱う事務所等を開設した場合に、その旨を所轄税務署長に対して届け出る手続です。給与を支払うことを決定した日から1ヶ月以内に提出する必要がありますが、個人事業主で開業届を提出する場合は提出する必要はありません。

この届出書は、源泉徴収をする方が提出する必要があります。

個人で下記の場合に該当する場合には、源泉徴収をする必要がないため、給与支払事務所等の開設届出書の提出は不要です。

  1. 常時2人以下のお手伝いさんなどのような家事使用人だけに給与や退職金を支払っている人
  2. 給与や退職金の支払がなく、弁護士報酬などの報酬・料金だけを支払っている人

これらに該当する個人は源泉徴収義務者に該当しないため、届出は不要です。

給与支払事務所等の開設届の書き方

この届出書は、PDFに書き込みができないので、印刷して手書きでご記載ください。

国税庁HP:給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出

①住所又は本店所在地

個人の場合には、納税地を記載ください。納税地は事業所の所在地または個人事業主の住所地で、開業届などで提出しているものです。

法人の場合には本店所在地をご記載ください。

②税務署

①で記載した所在地を管轄する税務署をご記載ください。

納税地の税務署が分からない方は国税庁HPをご覧ください。

国税庁HP: 税務署の所在地などを知りたい方

管轄の税務署を確認したら、届出書の左上の提出左記欄に「○○税務署長」の○○のところに税務署名を記載ください。

③個人番号又は法人番号

③-1 個人事業主

個人事業主の場合は個人番号を記載ください。個人番号はマイナンバーの事です。通知カードやマイナンバーカードに記載の12桁の番号を間違いなく記載してください。

届出書を提出する際には、①個人番号(12 桁)の記載及び②届出をする方の本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)の提示又は写しの添付が必要となります。
なお、届出書の控えを保管する場合においては、その控えには個人番号を記載する必要はありません。

③-2 法人

法人の場合は法人番号を記載ください。法人番号通知書を見るか、法人番号検索サイトで検索してください。

国税庁法人番号公表サイト

 

④開設年月日、給与支払を開始する年月日

給与支払事務所等の開設年月日を記載してください。特に事情がなければ法人の設立日や給与や報酬の支払い開始日をご記載ください。

給与支払事務所等を開設した月中に給与の支払いが開始されない場合に、給与支払を開始する年月日を記載してください。

⑤届出内容及び理由

「開設」の「開業又は法人の設立」にチェックをつけてください。

⑥従業員数

従業員数がわかっていればご記載ください。予定がわからなければ特に記載不要です。

給与支払事務所等開設届出書の提出方法

書面を印刷して税務署に持参又は郵送することが一番早いです。電子申告も可能ですが、届出書の場合、事前準備が非常に面倒くさいので、さっさと書面で出してしまいましょう。

この記事では、国税庁のPDFに入力した場合を前提に解説します。

①印刷して書き込んでコピー
国税庁PDFは入力ができない仕様ですので、印刷して手書きで作成することが早いです。記入し終えたらコピーして控用としてください。控えとする方の届出書右上に「控」と大きめの字で手書きしてください。
②押印
代表者氏名欄に押印欄がありますので、提出用と控用の両方に認印を押して下さい。
③添付書類
提出用に個人番号(マイナンバー)を記載した場合、本人確認書類のコピーを提出する必要がありますので、提出用に本人確認書類のコピーをホッチキスやクリップで留めてください。
法人の場合には必要ありません。
④提出
税務署に持参する場合には、提出用の窓口に行き、提出用と控用の両方を提出してください。収受印を押されて控用を返却されます。
郵送する場合には、提出用と控用と返送用封筒を封入して、税務署宛に郵便でお送りください。返送用封筒に宛先にご自身の住所を記載することと切手を貼ることをお忘れなく。なお、提出用も返送用いずれにおいてもレターパックで提出可能です。

 おわりに

今回は給与支払事務所等の開設届の書き方について解説しました。

源泉所得税関係の手続はこのほかに「源泉所得税の納期の特例の承認」の手続きがあります。これは、一定の要件を満たす小規模事業者は源泉徴収した税金の納付期限を毎月締め翌月10日ではなく、半年締めの年2回にすることができる手続です。毎月納付するのが面倒だという方は適用の可否について検討してみてください。

国税庁HP:源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例

国税庁HP:源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請

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